nanyodo, N+ Gallery
Jan.8 - Feb.9.2002 (Tokyo, Ochanomizu)
香港上海バンクの工程写真集を目にして以来、いつかはこんな写真を撮りたいと思っていた。
それから15年以上が過ぎ、東京国際フォーラムガラス棟の龍骨の組み立てが始まった頃、撮影の機会を得ることが出来た。

初めての撮影は、1994年10月。
夕方、その日の作業は終わりに近づいていた。
作業員はだんだんといなくなり、ひとり現場に取り残された。
少しずつ暮れてゆく風景の中、鉄骨はライトに照らし出され、眼の前に浮かび上がってきた。
美しく、彫刻のようだった。
雑然とした現場の中に、これから生み出されようとする建築の力が感じられてくる。
躯体構造はやがて覆い隠されて見えなくなってしまうが、ほんの一瞬だけさらけ出されたその姿は、はかなさと共に力強さをも放っていた。
巨大な建築も人の手によって造られていることがわかる。
完成した建築が美しければ美しいほど「Under Construction」はアクティブだ。   
    

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